英語で交渉する:非ネイティブのためのフレーズと戦略
英語交渉の切り出し、条件提示、譲歩、締めの4場面で使えるフレーズを日本語訳つきで紹介します。ビデオ会議での沈黙・要約・文書確認のコツ、母語と通訳に切り替える目安、オランダやラテン系など市場ごとの交渉スタイルも詳しく解説します。
要点
- 切り出し、条件提示、譲歩、締めの4場面で使える英語フレーズを、日本語訳つきで整理。
- ビデオ会議では、意図的な沈黙、要約による確認、その場での文書化が誤解を防ぐ。
- 条件が複雑なときや英語に不安があるときは、無理をせず母語と通訳に切り替える方が安全。
英語での交渉がつらいのは、フレーズを知らないからというより、言い間違えて立場を失うことや、重要な点を聞き逃すことが怖いからです。けれども英語交渉に必要なのは流暢さではなく、明確さと間合い、そして確認の習慣です。ゆっくり話し、一言多く質問し、要点を言い換えて確かめる。これは国際交渉では普通のことで、むしろ信頼につながります。
この記事では、4つの場面で使える英語フレーズを日本語訳つきで紹介し、ビデオ会議でのコツ、母語と通訳に切り替える判断基準、主要市場の交渉スタイルをまとめます。
4つの場面で使える英語フレーズ
切り出し:場の空気をつくる
| 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|
| Thanks for making the time. I'd like us both to come out of this with a good result. | お時間をいただきありがとうございます。双方にとって良い結果にしたいです。 |
| Before we start, could you tell me your main priorities? | 始める前に、最も重視される点を教えていただけますか。 |
| Let me share how we see it. | 私たちの見方をご説明します。 |
| That's one way to look at it. May I offer another angle? | そういう見方もありますね。別の角度から述べてもよろしいですか。 |
条件提示とアンカリング:立場を示す
最初の提示を自分から弱めないでください。立場と根拠をセットで伝えると、相手が反応しやすくなります。
| 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|
| Based on our costs and the market, we see this at X. | コストと市場の状況から、私たちはXと考えています。 |
| Our starting point is X, and here is why. | 出発点はXです。理由はこうです。 |
| We would need X for this to work on our side. | 私たちとして成立させるには、Xが必要です。 |
| Help me understand what would make this work for you. | どうすればそちらにとって成り立つか、教えてください。 |
譲歩:引き換えに動く
譲歩は小さく、必ず条件をつけます。
| 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|
| We can move on X if you can help us with Y. | Yにご協力いただけるなら、Xは調整できます。 |
| If we adjust this, we would need to hold firm on that. Is that fair? | ここを調整するなら、あちらは譲れません。いかがでしょうか。 |
| That is outside our range, but here is what we can do. | それは範囲外ですが、このようにはできます。 |
| I understand why you ask, but we are not able to move on this. | ご事情は理解しますが、この点は動かせません。 |
締め:合意を言葉に残す
曖昧な合意は、後のトラブルのもとです。
| 英語フレーズ | 意味 |
|---|---|
| Let me make sure I have this right: A, B and C. Correct? | 確認です。A、B、Cで合っていますか。 |
| You will do X, we will do Y, and the deadline is Z. | そちらがX、こちらがYを担当し、期限はZです。 |
| I will send you a written summary by the end of the day. | 本日中に書面の要約をお送りします。 |
| Let's confirm this by email and move forward. | メールで確認して、進めましょう。 |
ビデオ会議での3つのコツ
沈黙を道具にする
条件や質問を出したら、話すのをやめて心の中で3つ数えます。相手はその間に譲歩したり、本当の懸念を話したりすることがよくあります。画面越しでは、3〜5秒の間は考えているように見えるだけです。
定期的に要約する
10〜15分ごとに、合意済みの点を一言でまとめます。「So far we have agreed on A and B, and we are still discussing C. Is that right?」誤解を防げるうえ、自分の頭を整理する時間にもなります。
その場で文書に残す
共有ドキュメントやチャットを開き、合意した点を話しながら入力します。納期や支払い条件などを書き、「I'll note this down so we both have it.」と一言添えましょう。認識のずれは、会議の後ではなく会議中に見つかります。
母語と通訳に切り替える判断基準
不十分な英語のまま進めるより、通訳を入れた方が結果的に安くつくことがあります。次の場合は、日本語に切り替えて通訳を使うのが安全です。
- 内容が複雑:契約、知的財産、責任の範囲、技術仕様など、一語の誤解が損失につながる場面。
- 英語が限界に近い:同じ説明を繰り返している、相手に何度も聞き返される。バイリンガルの同僚や通訳に加わってもらう方が立場を守れます。
- 長く付き合う相手:それぞれが得意な言語で話せると、誤解が減り、信頼も築きやすくなります。
逆に、条件を明確に話せる、全員がすでに英語で順調に進んでいる、素早く決めたい、という場合は英語のままで問題ありません。
市場別の交渉スタイル
英語は外側の言葉にすぎず、その下にある交渉のリズムは地域によって違います。以下は一般的な傾向で、個人差があります。
オランダ、ドイツ、北欧
- 率直でデータ重視。数字と事実から入ります。
- 沈黙は普通で、急いで埋めるとかえって落ち着きがなく見えます。
- 最初の提示に強く反論されても、個人攻撃ではありません。
- 短く明確な表現が効果的です。「Here is the situation and here is what we need.」
ラテン系の市場(スペイン、ポルトガル、ブラジル、イタリア)
- 数字の前に、まず関係づくり。
- 言葉と同じくらい、声のトーンと温かさが重視されます。
- 口頭での約束も重く受け止められます。
- ゆっくり、笑顔で、誠実に話すことが、早口の流暢さより信頼を得ます。
東アジア(台湾、日本、韓国、中国)
- 間接的な表現と、相手の面子への配慮が大切です。
- 「No」と言わないので、「検討します」「難しいですね」の裏を読みます。
- 関係づくりに何度か通話が必要なこともあり、忍耐が求められます。
- 少し丁寧で落ち着いた英語が合い、スラングは避けましょう。
フランス語圏(フランス、カナダのケベック、アフリカの一部)
- 言語と文化への誇りが強く、英語で話すこと自体が歩み寄りです。
- 論理立てた議論が期待されます。
- 書面での合意が非常に重視されます。
- 正確で筋道の通った話し方が評価されます。確認が必要なら率直に伝えましょう。
シーン:ドイツの仕入先との発注量交渉
翻訳つき通話の流れ
東京の機械メーカーの営業部長と、ドイツの仕入先との発注量をめぐる交渉の電話。
台本による例です(録音ではありません)
営業部長(東京)ご提案ありがとうございます。発注量を増やすのは歓迎ですが、その値引き幅は当社には厳しいです。
Thank you for the proposal. We welcome a higher order volume, but that discount is too steep for us.
| 発言 | 翻訳 | |
|---|---|---|
| 営業部長(東京) | ご提案ありがとうございます。発注量を増やすのは歓迎ですが、その値引き幅は当社には厳しいです。 | Thank you for the proposal. We welcome a higher order volume, but that discount is too steep for us. |
| 仕入先(ドイツ) | I understand. If you can meet me on the discount, I can commit to a larger order every month for a year. | 分かりました。値引きで歩み寄っていただければ、1年間、毎月より多く発注します。 |
| 営業部長(東京) | 数字をご説明します。今年は原材料費が上がりました。18か月の契約なら、値引きを小さくできませんか。 | Let me walk you through our numbers. Material costs went up this year. Could we agree a smaller discount for an eighteen-month commitment? |
| 仕入先(ドイツ) | What if the discount applies only to the baseline quantity, and the extra quantity stays at the regular rate? | 値引きは基本数量だけに適用し、追加分は通常条件のままではどうですか。 |
| 営業部長(東京) | それなら結構です。ただし支払条件を45日から30日に短縮してください。 | That works, if we move payment terms from net-45 to net-30. |
| 仕入先(ドイツ) | Agreed. To confirm: discount on baseline only, regular terms on extras, net-30, eighteen months. I'll send a draft today. | 合意です。確認します。値引きは基本数量のみ、追加分は通常条件、30日払い、18か月。本日中に草案を送ります。 |
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Aki Kume · Akume編集部
よくある質問
交渉中に英語力について謝る必要はありますか?
必要ありません。謝ると立場が弱く見えます。聞き取れなかったときは「Could you say that again?」や「Let me make sure I understood.」と確認すれば十分で、正確さを大切にする姿勢は好意的に受け取られます。
ビデオ会議で沈黙が続くのは失礼ですか?
3〜5秒ほどの間は画面越しでは自然で、考えているように見えます。北欧、ドイツ、日本の交渉相手は沈黙に慣れているので、焦って言葉を足すより相手の返答を待ちましょう。
相手の提案が理解できなかったらどうしますか?
聞いた内容を言い換えて確認します。「Let me summarise what I heard: …. Is that right?」と言えば、時間を稼げるうえ、きちんと聞いている姿勢も伝わります。
相手がスラングや慣用句を使ったときは?
「Could you put that another way?」と丁寧に頼みましょう。たいていの人は、やさしい表現で言い直してくれます。
交渉の英語はフォーマルとカジュアルのどちらがよいですか?
交渉中は少し丁寧な表現を保つ方が、意味のずれを防げます。条件がまとまって関係ができてからカジュアルにしても遅くありません。
通話の前にメールで条件を整理してもよいですか?
むしろおすすめです。複雑な条件はまず文章で整え、ビデオ会議で確認すると、言葉選びに時間をかけられて誤解も減ります。
出典
Akume 編集部が AI ツールを活用して作成しました。各プラットフォームの情報は公式ドキュメントに基づき、本文に日付を記載しています。