多言語対応のカスタマーサポート:ライブ通話での進め方
ライブ通話での多言語対応カスタマーサポートを、ネイティブ担当者・通訳者・リアルタイム翻訳の比較、オンボーディング通話の台本、画面共有のコツで解説します。
要点
- ライブ通話の多言語対応は、主要言語にはネイティブ担当者、リスクの高い通話には通訳者、それ以外にはリアルタイム翻訳を使い分ける組み合わせ型が実用的です。
- 翻訳を介したオンボーディング通話では、短いスクリプトを用意し、画面共有では一文につき操作を一つに絞り、顧客に次の手順を復唱してもらいます。
- 日本の多言語対応は窓口やウェブサイトが中心で、予約、オンボーディング、アフターサービスの電話やビデオ通話が手薄になりがちです。リアルタイム翻訳はそこを補えます。
目次
多言語対応のカスタマーサポートとは、顧客が選んだ言語で支援することです。ライブ通話で最も実用的なのは、主要言語にはネイティブ担当者、リスクの高い会話には人間の通訳者、それ以外にはリアルタイム翻訳を割り当てる組み合わせ型です。どの通話にどの手段を使うかを先に決めておけば、多言語対応は採用だけの問題ではなくなります。この記事では3つの手段を比較し、オンボーディング通話のスクリプトと、顧客が別の言語で読んでいる場合の画面共有の進め方を紹介します。
ネイティブ担当者、通訳者、リアルタイム翻訳
3つの手段の違いは品質よりも、対応できる範囲と立ち上げの速さにあります。実際の数値は言語の組み合わせや問い合わせ量によって変わるため、下の表は平均値を作らず、特徴を言葉で整理しています。
| ネイティブ担当者 | 外部委託の通訳者 | リアルタイム翻訳 | |
|---|---|---|---|
| 対応範囲 | 1人あたり1〜2言語。言語を増やすたびに採用かシフトの追加が必要。 | 多くの言語に対応できるが、通話ごとに予約が必要。 | どの通話でも複数の言語に対応。例えば Akume は1回のセッションで2〜10言語を扱え、誰がどの言語を話しているかを自動で判別します。 |
| 品質 | 最も高い。製品知識と口調が1人にまとまっている。 | 訓練を受けた通訳者なら高く、責任の所在も明確。 | 明瞭で短い発話には有効。人名、慣用句、製品用語には注意が必要。 |
| 立ち上げ | 採用と研修、その後に試用期間。 | 通話ごとに事前のスケジュール調整。 | 数分。会議リンクを貼れば翻訳ツールが参加します。 |
| 向いている場面 | 問い合わせが最も多い1〜2言語。 | 契約、医療、法務、請求トラブル。 | オンボーディング、操作案内、トラブルシューティング、少数言語。 |
多くのチームは、結局3つすべてを併用します。よくある分け方は、問い合わせが安定して多い言語にはネイティブ担当者、デリケートな通話には通訳会社と待機契約、それ以外はリアルタイム翻訳を標準にする形です。判断基準はシンプルです。安定して問い合わせが来る言語なら採用する。間違えたときの損失が大きいなら人間を予約する。どちらでもなければ翻訳で対応する。
サポート通話でリアルタイム翻訳ができること
プラットフォーム標準の機能と、ボットとして参加する翻訳ツールでは仕組みが異なります。仕組みを理解したうえで選びましょう。
- 標準の字幕機能。 Google Meet は一部の Google Workspace プランで翻訳字幕を提供しており、ヘルプページには100以上の言語が掲載されています。ただしテキストのみで、表示できるのは字幕をオンにした本人だけ、しかもオンにしてから後の会議部分に限られます。
- 会議内の人間による通訳。 Zoom では、ホストが最大20人の参加者を音声通訳者に指定し、参加者が言語チャンネルを選べます。両方の言語を話せる人が必要なうえ、大学の IT ガイドによれば、パーソナルミーティング ID やインスタントミーティングでは使えません。
- 参加者として加わる翻訳ツール。 Akume は Google Meet、Microsoft Teams、Zoom でこの方式です。招待リンクを貼ると翻訳ツールが参加し、ライブ字幕がそのタイルに流れます。聴講者リンクを開いた人は、ブラウザで自分の言語の翻訳音声を聞き、字幕を読めます。聴講者にアカウント登録、インストール、席数の確保は不要です。Zoom では、翻訳ツールの参加時にホストへ録画の許可が求められます。これがないと動作せず、通話終了後に録画は残りません。Zoom ウェビナーは非対応です。
プラットフォームの機能は頻繁に変わるため、顧客に何かを約束する前に、提供元の公式ページを確認してください。
翻訳を介しても伝わるオンボーディング通話スクリプト
翻訳には短い遅延が生じ、口調のニュアンスも薄れます。そのため、翻訳を介する通話では1言語の通話以上にスクリプトが重要です。文は短く、1文に1つの内容にします。以下は30分のオンボーディングの流れです。
- 通話前(前日)。 招待状と聴講者リンクを送り、顧客の言語で通話内容を一行添えます。どの言語で聞き、どの言語で読みたいかも確認します。
- 冒頭(2分)。 自己紹介、通話の目的、リアルタイム翻訳を使っていることを伝えます。「不自然に聞こえたら教えてください。言い方を変えます。」
- ゴールの確認(3分)。 通話の終わりまでに何ができるようになりたいかを尋ねます。質問は一つだけにして、答えを待ちます。
- 操作の説明(15分)。 画面を共有します。クリックする前に操作を口に出します。「設定を開きます。次に連携をクリックします。」各ステップの後は、翻訳が届くまで間を置きます。
- 復唱確認(5分)。 顧客に、次に何をするのかを自分の言葉で話してもらいます。翻訳で見えにくくなった誤解を拾えます。
- 締め(5分)。 次の手順、リンク、コードをチャットに貼ります。通話後には書面の要約を送ります。
翻訳を介する通話での画面共有のコツ
- 1文に1操作。 長く入り組んだ指示ほど翻訳が崩れます。「保存をクリックしてからウィンドウを閉じる」は2文に分けます。
- 名称を言ってから示す。 顧客は聞いた言葉と画面上の言葉を照らし合わせます。ボタンの表記どおりに言いましょう。
- カーソルをゆっくり動かす。 顧客は字幕と画面を同時に見ています。クリックの前に、対象の上で一瞬止めます。
- 冗談や慣用句を即興で使わない。 「Let's circle back」や「朝飯前です」は、誤訳されやすい表現です。平易な言い方に置き換えます。
- 正確な値はチャットに入力する。 メールアドレス、ライセンスキー、URL、数字は、口頭だけでなく文字で送ります。
- 質問の間を残す。 翻訳された文の後に沈黙が生じるのは普通のことで、顧客が戸惑っているとは限りません。
翻訳つき通話の流れ
オーストラリアの顧客とのオンボーディング通話
台本による例です(録音ではありません)
サポートリーダー(東京の SaaS)画面を共有します。まず、右上の設定を開きます。
I am sharing my screen. First, I am opening Settings at the top right.
| 発言 | 翻訳 | |
|---|---|---|
| サポートリーダー(東京の SaaS) | 画面を共有します。まず、右上の設定を開きます。 | I am sharing my screen. First, I am opening Settings at the top right. |
| 顧客(オーストラリア) | Got it. Where do I add my team? | 了解です。チームの追加はどこですか? |
| サポートリーダー(東京の SaaS) | 次に、メンバーのタブを開きます。ここに招待用のメールアドレスを入力してください。 | Next, I am opening the Members tab. Please enter the invitation email here. |
| 顧客(オーストラリア) | So I invite my three colleagues from Members, and they get an email. | メンバーのタブから同僚3人を招待すると、メールが届くのですね。 |
日本の多言語対応で、電話やビデオ通話が手薄になる理由
日本で「多言語対応」といえば、海外からの訪問者向けに案内表示、メニュー、ウェブサイト、予約ページを複数の言語で用意することを指すのが一般的です。ホテル、クリニック、店舗、ツアー会社は、窓口とウェブページへの投資を進めてきました。手薄になりやすいのは、訪問の前後にかかってくる電話やビデオ通話です。予約の変更、忘れ物の問い合わせ、海外企業のアカウントでのソフトウェア導入などがその例です。
インバウンド需要は季節による波が大きく、訪問者の言語も年ごとに変わるため、言語ごとに担当者を1人ずつ雇う方法は現実的ではありません。そこで、リアルタイム翻訳を介した通話が役に立ちます。日本語の担当者は通話を日本語のまま進め、訪問者は英語、中国語、韓国語など、自分で選んだ言語で聞けます。事前に考えておきたい点が2つあります。
- 敬語の度合い。 日本のカスタマーサービスでは敬語が欠かせません。英語に訳すと意味は伝わっても、丁寧さの度合いまでは伝わるとは限りません。感謝とお詫びは口調に頼らず、言葉ではっきり伝えましょう。
- 省略される主語。 日本語は主語を省くことが多い言語です。主語を声に出しましょう。「開きます」よりも「私がいま設定を開きます」のほうが正確に訳されます。
同じ理由で、クレーム、損害賠償の請求、医療に関わる内容では、人間の通訳者という選択肢を残しておきましょう。
翻訳を介したサポート通話でよくある失敗
顧客にも同じものが見えていると思い込む
字幕を使う場合は、顧客が字幕を見つけられているか、聴講者リンクを開けているかを確認しましょう。
早口で話す
翻訳は文が終わった時点で最も精度が出ます。一文ずつ、はっきり言い切りましょう。
復唱確認を省く
顧客は理解していなくても「はい」と答えることがあります。次の操作を説明してもらいましょう。
法務や医療の判断を翻訳に任せる
こうした内容には、資格のある通訳者を手配してください。
フォローアップを忘れる
顧客の言語で書面の要約を送ります。できればその言語のネイティブにも確認してもらいましょう。
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よくある質問
多言語カスタマーサポートとは何ですか?
顧客が選んだ言語で、メール、チャット、通話によるサポートを提供することです。通話の場合は、ネイティブ担当者、通訳者、リアルタイム翻訳のいずれかを使い、双方が自分の言語で話して聞く会話を指します。
言語ごとに担当者を雇わずに多言語サポートを行うには?
問い合わせが安定して多い言語にだけネイティブ担当者を置き、少数言語はリアルタイム翻訳でカバーします。法務、医療、請求トラブルに関わる通話には、人間の通訳者を確保しておきましょう。
1人の担当者が1回の通話で複数の言語の顧客に対応できますか?
リアルタイム翻訳が通話に参加していれば可能です。担当者は自分の言語で話し、顧客は自分の言語で聞きます。翻訳を介する通話は1言語の通話より時間がかかるため、余裕を持った枠を取り、文を短くしてください。
担当者が画面共有をしているときも、リアルタイム翻訳は使えますか?
使えます。画面は全員に同じものが映り、翻訳が担うのは音声です。クリックする前に操作を口頭で伝え、翻訳が届くまで少し待ち、コードやメールアドレスなど正確さが必要な情報はチャットに入力してください。
リアルタイム翻訳はサポート業務に十分な精度ですか?
オンボーディング、操作案内、トラブルシューティングには向いています。画面を見れば意味を確認できるためです。契約、返金、医療、法律に関わる内容は、資格のある人間の通訳者に任せ、顧客には必ず次の行動を自分の言葉で復唱してもらってください。
出典
Akume 編集部が AI ツールを活用して作成しました。各プラットフォームの情報は公式ドキュメントに基づき、本文に日付を記載しています。